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リクルーターの仕事って

2023年8月をもって7年間リクルーターとして勤務したHubSpot Japanを退職しまして、これからは個人事業主として様々な企業様の採用関連のお手伝いをしていきたいと思っております。

ということで、前職の日本オラクルから通算10年間、外資IT企業のインターナルリクルーターとして働いてきた経験の振り返りをつらつらと書きつつ、私は何ができそうなのか?といった自分自身の棚卸し・備忘録としてまとめてみたいと思います。

 

Q. そもそも、なぜインターナルリクルーターになったのか?

元々は人材エージェント企業にて、人材派遣営業、人材紹介の営業・コンサルタント(日本&アメリカ)、エグゼクティブサーチファームでのリサーチ担当として15年ほど勤務しており、クライアント企業に対して人材を紹介する。ということは一通りやってきたかなー と思い、次は自社の成長のために優秀な人材を採用して組織を作りたい。と思ったのがきっかけでした。

そこで、どうせ採用をやるのであれば、人材紹介会社への依存度が低く、ダイレクトソーシングとリファーラルを中心に中途採用を行っている企業で"採用力"をつけたいと思い、当時、人材紹介会社を使わないことで有名だった日本オラクル社にリクルーターとして入社しました。

日本オラクルでは3年間、同社のコア製品であるデータベース領域ではなく、今後注力していくクラウドアプリケーション領域担当のリクルーターとして、新たに組織を立ち上げていく。という段階から採用に関わらせてもらうことができたことで、スタートアップフェーズで採用することの面白みを知り、その流れでHubSpotの日本法人立ち上げに参画することとなりました。

 

Q. インターナルリクルーターとエージェントリクルーターの違いは?

エージェントの時は、極端な話、自分と合わないクライアントとは付き合わなくても良いし、紹介しやすい(=売りやすい)企業だけに紹介しても成果をあげることができたのですが、インターナルリクルーターは社内で必要なポジションは、どんなに難しくても、該当するスキルをもった人材がほとんどいなくても、絶対に採用しなければならない。という逃げ道のなさが大きな違いであり、難しいところだと思います。

あと、マイルールとして重視していたことは、インタナルリクルーターは求職者からすると志望する企業の中で最初に接する人になるので、リクルーターの第一印象=企業の印象となることを意識し、自分自身が100%自信を持って自社・募集ポジションを勧められないと求職者は応募したいと思わない = 自分がポジティブな状況でない時には求職者との面談・面接を行わない。という点はエージェントのリクルーターの時とは大きく異なる意識かもしれないですね。

 

Q. インターナルリクルーターの仕事って?

私の中では、インターナルリクルーターの仕事は、マーケティング、セールス、カスタマーサービス全てを行うことだと思っています。

<マーケティング>

まだ自社を知らない人たち (潜在的求職者)に対して、ブランディング・認知度向上、興味喚起、ファンになってもらう。までの一連のコミュニケーションを計画し、実施することではじめていわゆる母集団形成というものが実現されます。

特にスタートアップや日本に参入したばかりの外資系企業などでは、人材マーケットの中での知名度がないため、まずはブランディング・認知度向上からはじめないと、いつまで経っても応募してくれる人がいない。という状況に陥ってしまいます。

<セールス>

ようやく応募してくれる人がでてきても、多くの求職者は複数の会社の面接を同時並行で進めて、一番条件の良い会社を選ぶ。というのは、ごく当たり前な行動です。

その中で、求職者が希望している条件や将来的に目指している方向性を正しく理解した上で、その人にとって魅力的だな・入社したら自分のキャリアにもプラスになりそう!と思ってもらえることを、いかにうまく伝えて、自社を選んでもらえるか。というのはとても重要です。

個人的にはここが一番リクルーターの力量の差が出るポイントではないかと考えております。

<カスタマーサービス>

採用決定した人が、入社前及び入社直後のオンボーディング時に良い体験をしてもらうことはとても大切です。

企業によっては、この領域はリクルーターの業務範囲外ということもあるかと思いますが、自身の業務範囲ではなくとも自分が採用した人たちと密にコミュニケーションをとることで、結果として採用活動においても良いことが多いと思っています。

新しく入社した人が順調に立ち上がり、すぐに成果をあげることで、本人の意識も前向きになり、より高い成果を生み出すことにつながる。という好循環がうまれます。

成果を出している人は転職して成功だった!という意識があるので、周囲の人にも積極的に自社の良いところをアピールしてくれます。

それにより自社ブランディング向上にも寄与しますし、リファーラルが増える。という直接的なメリットも多くあります。

また、社内にいるHiring Managerも採用の意思決定をするクライアント・カスタマーであると共に、一緒にメンバーを増やしていくためのパートナーでもあるので、Hiring Managerと良好な関係を築くことは、カスタマーサービスでもあり、ステークホルダーマネジメントとしてとても重要になりますね。

 

Q. インターナルリクルーターという仕事の面白みは?

最近ではAIで書類選考や面接を行うというサービスも増えてきていますし、実際にAIの力を借りることで効率化できたり、ミスが減ったりというメリットはたくさんあると思いますので、将来的にはインターナルリクルーターに求められるものが変わってくるというのは自然な流れかと思います。

とはいえ、求職者自身が認知していないような潜在的なニーズ(=データ化されていない情報)をAIが読み取ることはなかなかハードルが高いと思いますし、また環境や一緒に仕事をする人たちによって、その人がどのように成長するのか?を予測するのも難しいと思います。

そういったところに想像力を膨らませながら、この人が入社したら組織にどんなインパクトがあるだろうか? この人自身はこの環境で仕事すると、どういう風に成長するだろうか? などと考えながら人材採用を行い、また、採用した人の成長を社内で見守ることができるのが、インターナルリクルーターの面白みだと思います。

 

ということで、自身の経験を振り返る備忘録としてブログを書いてみました。

 

#インターナルリクルーター #リクルーター #HubSpot #日本オラクル