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採用プロセス構築について

先月よりスタートアップ企業での人事・採用全般のお手伝いをしておりますが、中途採用を進める中で、そもそも採用プロセスをきちんと定めないまま採用活動をしている会社って意外と多いのでは?と思ったので、採用プロセスの構築についてまとめてみました。

1. ビジネスゴール・課題の明確化 

2. ジョブディスクリプション作成

3. ターゲットペルソナ設定

4. 採用タイムライン設定・確認

5. 採用チャネル選定 (母集団形成)

6. 選考プロセス・評価基準策定&面接官トレーニング

7. 内定承諾から入社までのコミュニケーション

 

1. ビジネスゴール・課題の明確化 

そもそも、会社・部門として新たな人材を採用する必然性がどこにあるのか? またその人材に何を解決してもらいたいのか? が明確にならないと、ジョブディスクリプションもペルソナも設定できないので、まずはしっかりとここから固めるのが大事。

このプロセスを飛ばして、いきなり募集開始する企業が意外と多いのでは?と思っていますが、これはゴールがないまま見切り発車するのと同じで、後々余計な時間をつかうことになります。

 

2. ジョブディスクリプション作成

上記1のゴール・課題が明確になったら、それを個人の具体的な業務内容に落とし込みます。

その際は、この仕事のミッション、ゴール、責任範囲を明確にした上で、具体的な業務内容を記載します。(可能な限り客観性をもって、誰が読んでも同等な理解になるように記載することが望ましい。)

その上で、この業務内容を責任を持って果たすために必要となる業務経験、スキル、知識、資質 (Attribute)、興味・関心(モチベーション)など、採用する際の基準となる要件を定義します。

 

3. ターゲットペルソナ設定

上記2のジョブディスクリプションをもとに、より具体的な人物像(ペルソナ)を設定して行きます。

ここは具体的であればあるほど、採用に関わるメンバー全員が共通のイメージを持つことができ、結果として採用におけるミスマッチが減ることにもつながります。

例えば、外資SaaS企業でのインサイドセールスのペルソナであれば、

- 新卒で日系中堅SIerに営業職として就職した2年目の社員XXさん。大学在学中は半年ほどアメリカに留学した経験もあり、英語でのコミュニケーションに自信があるわけではないけれど、仕事で英語を使えるようになりたいと思っている。(ただし英語を勉強する時間的&気持ちの余裕はない。)

- 新しいテクノロジーは好きなので、SIerとしての仕事は嫌いではないのだが、労働集約型の仕事をいつまで続けていけるのか?また、ある程度自分が責任を持ってクライアントを任されるまで数年かかるなーという現実を目の当たりにして、自身の将来について漠然と不安を感じることもたまにある。

- 大学時代の同期でベンチャーに就職した友人は週末も働いていて忙しそうではあるけれど、日々成長している姿を見て羨ましく思うこともあり、スタートアップ環境への憧れは多少ある。

- とはいえ、日々の業務に忙殺されており転職についてじっくりと考える時間はなく、実際には何の活動もしていないが、気になる企業の求人情報だけはチェックしている。

みたいな人をターゲットとして探していきましょう!と設定すると、

こういうXXさんのような人に対して、

- どんなメッセージを送れば興味持ってくれるのか? 

- そのメッセージをどのような手段(チャネル)で届ければ目にとまるのか?

など、コミュニケーション方法もより具体的な手段が見えてくるようになります。

 

4. 採用タイムライン設定・確認

厳密にいうと上記2,3と並行して進める感じかと思いますが、これから採用するポジションをいつまでに採用する必要があるのか、また採用が遅れた時にビジネスにどのようなインパクトがあるのか?を明確にすることで、この採用にどこまでリソースと予算をつかうべきなのかが明確になります。

また、採用選考にかかる時間、内定承諾後から入社までに必要な猶予期間等についても採用する部門の責任者と共有することで、いつまでに何をする必要があるのか?が明確になり、一緒に採用を成功させようという部門の協力を得やすくなります。

 

5. 採用チャネル選定 (母集団形成)

上記1-4を踏まえて、どの採用チャネルを使って進めれば良いのか?を決めていきます。一般的な採用チャネルとしては以下の5つになります。

1. 人材紹介会社

2. ダイレクトリクルーティング

3. 求人広告からの応募

4. 自社採用ページからの応募

5. 社員紹介(リファーラル)

それぞれのチャネルによって、コスト、工数、時間に差はあるので、募集しているポジションの業務内容(採用難易度)、採用予算、緊急度などを考慮して適切なチャネルミックスを決定し、母集団形成を行なっていく必要があります。

 

6. 選考プロセス・評価基準策定 & 面接官トレーニング

まずは、上記2のジョブディスクリプションで定めた要件をもとに、採用基準となる評価項目を定めます。

定められた評価項目について、誰が、どの段階で(1次面接 - 最終面接)、どのような質問で確認するのか、また質問への回答として望ましいもの/NGなものを明確にすることで、極力面接官の主観的な判断(好き嫌い)をなくし、面接官が変わっても同じ基準で採用できるような再現性を持った仕組みを構築することが大切です。

また、企業によってははじめて面接官になった。という人もいるかと思いますので、面接官になる人に対しては事前に評価基準や面接でのコミュニケーション方法(面接で聞いてはいけないことなど)をしっかりとトレーニングする必要があります。

面接は企業が求職者を選ぶ場であると共に、求職者が企業を選ぶ場であることをしっかりと面接官が理解をし、求職者に一緒に働きたい!と思ってもらえるような面接をすることが、最終的な内定承諾率の向上にもつながります。

 

7. 内定承諾から入社までのコミュニケーション

採用活動は内定承諾したら終わりではなく、入社して活躍してくれるまでをサポートしていく必要があります。

人によっては内定承諾から入社まで数ヶ月の期間が空いてしまうこともありますので、その間を誰が、どのようにフォローして、入社まで熱意を持ち続けてもらうかは重要です。

入社後すぐに活躍してもらうために事前に何を準備してもらう必要があるのか?、入社初日から最初の1週間はどのように過ごすのか?など、できるだけ入社前の不安を取り除いてあげることで、初日から良いスタートをきることができるかどうかが変わってきます。

逆にここでの体験(Onboarding experience)が悪いと、会社に対してマイナスの印象からスタートし、入社後も不満をいただきやすくなるので要注意です。

 

何か採用についてお困りのことがございましたら、いつでもご相談ください。

#中途採用 #採用プロセス #採用コンサルティング